癒し空間ひかりのしずく

鏡に映る影

第三章 胎動


最近、椅子の背もたれの落書きを消していない。

描きたい放題に描きまくっている砂田はそれでもまだ足りないらしく、木の部分だけでなくスチールのパイプ部分にまで手をつけている。

オレはさすがに呆れて砂田に話しかけた。

「ひょっとして砂田、オレに構って欲しいのか?」

がびょーん、と変な声を出した砂田はびっくりした顔でオレを見た。

「すげえ、絶対気づかないと思ってたのに」

どうやらオレの思いつきの発言は正鵠を射ていたらしい。

「島崎のことラブリーvとかアニキ!とかそういう目では見ていないから安心したまえ。キヨラカな友人になろうなっ」

── は?

「オレは構って欲しいのかと聞いただけで、友達になるとは一言も」

「まあ、そう堅いことは言わずに。さあ俺の杯を受け取ってくれ。兄弟の証だ」

そう言って砂田はオレに飲みかけと思われるオレンジジュースのパックを強引に押しつけた。

「さあ、グッと一気に!」

「 …… 空だぞ、これ」

一人で盛り上がっている砂田にとりあえず目の前の事実を告げてみる。

「それは失礼した!」

砂田はぱっと立ち上がるといきなり教室から走り出て行き、呆気にとられたオレはただその姿を見送った。

数分後、息せき切らして砂田が戻ってきた。
ずい、と差し出された手にはサンキストグレープフルーツジュースのパック。

一年生の教室は四階。購買の自販は一階。
全力疾走で階段を駆け降り駆け昇ってきたと思われる砂田に呆れながらも敬意を表して、オレはジュースを受け取った。

「サンキュ」

「いいえー、ワタシが勝手にやったことですからー」

尻尾をぶんぶん振り回している子犬のように、砂田がうれしそうにオレを見ていた。

以前ならうざったくてしょうがなかった砂田を、オレは今、素直に受け止めている。
嫌じゃない。これは進歩なのかもしれない。

「島崎さー、目が生き返ったよね」

砂田が話しかけてきた。

「目?」

「うん。入学した頃の島崎って何かこう、『近寄るんじゃねえ』っていう尖ったオーラをがんがん放出してたろ?
でもその割に、目が死んでた。
いつか本人も死んじゃうんじゃないかと思うような、干からびて死んでしまった生き物の目だった」

そうか、砂田にはそう見えていたのか。

「そのオーラのせいで誰も島崎に近づけなかったようだったから、近くにいる俺がちょっかい出してみたんだよね。
すっげー嫌がられてるのわかってたけどさ」

「同情か。 …… それで砂田の正義感は満足したのか」

皮肉を込めたオレの言葉を砂田は胸を張って弾き飛ばした。

「同情のどこが悪い。正義感はないよりある方がいい。
オレの真理はただ一つ、俺がやりたいからやる、それだけだー!」

砂田は演技めいた仕種で人さし指をピンと立て、オレの前に突き出した。

自分の行為を正当化するための言い訳ではない。
砂田にとって行為は正当である必要がないのだ。

やりたいからやる。他人にどう言われようが構わない。

けろりと言い切った言葉の一つ一つに自信が溢れていた。
ものすごくわがままな奴だ。
まっすぐで、自信家で、ふてぶてしくて。
なのに憎めない。

「でもほんとは島崎のミステリアスな魅力にめろめろだったのさー。
あっ、神に誓って言うけど、島崎のことは恋愛対象として見ているわけではないので安心するように」

調子のいい奴。自然と笑みがこぼれてくる。

「 …… いいよ、友達になっても」

「おおっ、ありがたいお言葉!
じゃ、さっそくなんだけどさ、リーダーの予習してある?
俺昨日ドラマ見ながら寝ちゃってさー。あははー」

この男。それが目的だったのか。

自分が当たりそうな部分だけ適当に訳しておいたノートを砂田に渡す。
オレの次に当たる砂田が必要な範囲も網羅しているはずだ。

砂田はありがたやありがたやと畏まってノートを受け取り、猛然と自分の教科書に写し始めた。



学校祭が慌ただしく終わり、樹々が色づく初秋の頃。

オレはふと山村の不自然さに気がついた。

山村はいつもクラスメイトたちに穏やかに微笑んでいる。そう、今も。
けれどオレはふとそこにわずかな緊張感が漂っているような気がした。

きっと誰も気づいていないだろう。
それすらも含めて山村らしいと思われてしまっているからだ。

しかし「山村らしさ」を決めつけているのは周囲の人間であって決して山村本人ではない。
山村を鏡にして映った自分の見方に過ぎないのだ。

── 山村は本当はどういう人間なんだろう。

いつでも、誰にでも笑顔で人当たりのいい山村。
その姿に遼が重なる。
笑顔の裏側で必死にプレッシャーと戦い、押しつぶされて命を散らした遼。

山村もどこかで自分を抑えつけてはいないだろうか。
無理をしてはいないだろうか。

山村は他人を自分の反射としてだけ受け止めているわけじゃない。
あのまっすぐな視線で他人を知ろうとしている。他人を他人として尊重している。

人の心の中にまで入り込めそうな魔力をもつ視線。

相手を威圧することのないその透明な強さは、けれど本当は自分の心を読み取られないようにするためにこそあるのかもしれない。
誰も自分の心に踏み込めないようにするために。
心の中の弱い部分を傷つけられないようにするために。

だから視線の強さで壁を作り、心を守ろうとしているのかもしれない。

それはおそらく山村本人も気づいていない、無意識の自己防衛。

ほんの偶然のこととはいえ、オレが公園で見たあの笑顔は本当に自然なものだった。
人前では決して見せない、見せようにも見せられない、ガードを外した無防備な微笑だったのだ。

弱いからこそ強さを求める。

自分の気持ちに自信がないからこそ、山村は他人を鏡にする必要があったのだ。

強いと思われた山村の中には弱さがある。

山村も ── 水の中であがいているのだろうか。
少しでも岸に近づくために。

山村は普通の弱い人間だ。

もちろんすべてはオレの推測でしかない。
それでもオレはなんだか安心してしまった。

それと同時に山村への愛しさが胸に溢れてくる。

強くて弱い山村。
気がついた時にはどうしようもなく魅かれていた。

公園での微笑を、もう一度見たかった。
瞳の鏡を通り抜け、山村の心を知りたいと思った。
その弱い部分を、守りたいと思った。

共に溺れていてはどちらも助からない。

山村の手をつかんで岸辺に引っぱりあげるためには、オレが岸に上がっていなければならない。

まずは岸に上がらなければ。
全てはそこから始まる。



かつて一番気に入っていた夢辞典の本が見つからない。
どこにしまいこんだのか、さっぱり思い出せないのだ。

なぜか今朝目覚めた途端に、その本をどうしても読まなければならないという感覚が湧き上がってきた。

しかもオレにしてはかなり珍しいことに、昨晩見たはずの夢が思い出せない。
だから余計に気にかかるのだった。

放課後、図書室へ足を運んではみたものの、やはり高校の図書室に常備されているような本ではないため、見つけることはできなかった。
代わりに興味を惹かれた本を数冊見つけたので無駄足にはならなかったのだが。

図書室から出てスカイグレイの扉を閉めたオレに、廊下を歩いてきた誰かが勢いよくぶつかった。
腕を直撃され、借りてきた本がバサバサと足元に落ちる。
相手は女の子だった。

「邪魔よ!」

いきなりの暴言。なんだこいつ。

綺麗な子だった。
長い髪を結わえることなくふわりと背中に垂らしている。
表情はきついが非常に造作の整った顔立ちをしていた。

── 肩より長い髪は結ばなければならないことになっていなかっただろうか。
ああ、それなら化粧も校則違反だろう。

「ぶつかってきたのはそっちだろ」

無愛想なオレの表情を見て、彼女はその勝ち気そうな瞳を見開いた。

廊下の向こうから声がした。
彼女はキッ、とオレを睨むとその声の元へ歩き去っていく。

「しーまーざーきー」

本を拾い上げるオレの背中にまとわりつく声。砂田だ。

「何だよ」

「校内一の美少女とぶつかった感想は?」

「美少女?」

「そうは思わなかったのか?」

「綺麗な子だとは思ったけど、人にぶつかっておいて謝りもしない失礼な奴だった」

不機嫌に答えたオレを砂田は呆れたように見た。

「おまえってほんとに変わった奴。朝倉にそんなこと言う人間、初めて見た」

「誰だって?」

「一組の朝倉。そう、例えるなら、荒野に咲く一輪のバラのような美しさ ── っとと、今のは他の女子全般に対する問題発言であった。
聞き流してたもれ」

他の誰も聞いていないのに砂田は慌てて口を手で覆った。

バラ、ね。まあ、そういう華やかさはあるかもしれない。

ただし周りが荒野というのは間違っている。
花は咲いている。少なくとも清楚なマーガレットが一輪。

「バラには棘があるぞ」

「棘があるからバラなのさー。
棘のないバラは綺麗なだけのただの花。棘のあるバラは人生に変化を望む人間を永遠に魅了し続ける至高の存在なのさ
── って俺、なんか詩人みたい。
ふっ、これからはポエマー砂田と呼んでくれ」

「いやだ」

あっさり言い切ったオレを砂田は淋しそうに見つめた。



三日後に事件は起こった。

「島崎くん、私と付き合ってくれないかしら」

時は二時限目が終わった後の休み時間。
たくさんの生徒が行き交う廊下の真ん中。

「 …… は? どこへ?」

あまりにもさっぱりした口調に、オレはその意図を汲み取れず思わず聞き返してしまった。
いらいらしたように朝倉が答える。

「一緒にどこかへ行くって意味じゃないわ、彼氏になってって意味よっ」

周囲から好奇と強い羨望の視線が突き刺さる。

オレと朝倉の接点といえばこの間図書室の前でぶつかったことだけだ。
どうしてそんなことを言われたのか謎だった。

公衆の面前で臆面もなくそんなことを言い出した朝倉は自信に満ちた表情でオレの返事を待っている。

そんな場で答えるのには一瞬ためらいもあったが、オレは素直に返答した。

「悪いけど、オレ好きな奴いるから」

朝倉は断られるなどとは夢にも思っていなかったようだ。
一瞬呆気にとられた顔つきになり、その後すぐに挑戦的な眼差しでオレを見た。

「 …… そう。きっと私よりも素敵な人なんでしょうね」

そう言い残し、朝倉は背を向けて歩き出した。
その後を何人かの男子生徒がぱらぱらと追いかけていく。

周囲の視線はまだオレに向けられている。
居心地が悪かった。

「島崎クンは朝倉サンよりワタシを選んでくれたのね」

裏返った声で砂田がオレの腕に自分の腕を絡ませる。

生徒数人がぎょっとした表情でオレたちを見た。

「 …… なにやってんだおまえ」

「親友が好奇の視線にさらされるのを黙って見過ごすなんてできないからさ。
フォローよ、フォロー」

「一部の生徒に誤解されたぞ」

「誤解させておきましょー」

砂田に急かされてオレは生徒の通りが少ない西階段の踊り場に連れて行かれた。

なんだかんだ言っても砂田の心遣いがうれしかった。

「びっくりしちゃったねえ。朝倉はこういう男が好みだったんだ」

「この間ぶつかっただけで、どうしてこうなるんだ」

困惑するオレに、砂田はけたけたと笑った。

「インパクトがあったんじゃないのー。
崇拝されることに慣れちゃってるから島崎の反応が新鮮だったんだよ」

「甘やかしすぎだ」

「だって朝倉だもん。視界に入るだけでうれしいのに、ぶつかったりした日にはもう有頂天よ」

「そういうものなのか」

「そういうものなのです」

砂田は訳知り顔でうなずいた。

朝倉は、本当にオレのことが好きで告白したんだろうか。
一目惚れされるような外見や雰囲気を持ち合わせていないことは誰よりも自分が一番よくわかっている。

状況においても朝倉の表情においても、本気とは思えなかった。
どうしてあんなことをしたんだろう。

── しかし、それは憶測にすぎない。

朝倉にほんの少しでもオレを好きだという気持ちがあったなら、オレが『本気とは思えない』などと言うのは失礼だ。
だから、オレは砂田にもそのことは話そうとしなかった。

「ところでー、好きな人がいるとは初耳だったんですけどー、どなたのことなんでしょうかー」

にまにま笑って砂田が質問してきた。
予想していたことなので、オレも笑って答える。

「そいつはすごくまっすぐで」
「うんうん」
「自分の考えをしっかりもっていて」
「うんうん」
「自信家で」
「うんうん」
「わがままで」
「 … うんうん」
「ふてぶてしくて」
「 …… 島崎の好みって不可解 …… 」
「 ── 今オレの前にいる奴」

きょとんとオレを見た砂田は爆笑した。

「まあっ、ワタシたち両想いだったのねー」

「砂田に合わせただけだ」

「ははは、いいよ、もう聞かない。
相手が誰かは知らないけど応援するよ。
── うまくいくといいな」

砂田の眼差しは優しかった。

オレはいつの間にか砂田にすっかり気を許している自分に気がついた。

遼に裏切られ、もう友達などいらないと考えていたオレを懐柔するとは、砂田という男、結構すごい奴なのかもしれない。
砂田くらい強引な奴でなければオレはまだ自分の中に閉じこもったままでいただろう。

── ああ、このシチュエーションは。
中学の時、遼が声をかけてくれた時に似ている。

オレは同じことを繰り返していたんだ。
同じことが繰り返されるのなら、砂田もまた、オレを裏切るのだろうか。

…… 裏切るのなら裏切ればいい。
オレはもう水の中へは沈まない。岸に向かって精一杯泳いでやる。

これからのことはわからない。

しかし、砂田のちょっかいがオレに現実を認識させる一つのきっかけになったのは事実だ。
調子が良すぎて今一つ全面的に信用できないものの、オレは心の中では砂田に感謝していた。

そんな今のオレを、遼はどう思うだろう。

チャイムの音で慌てて教室に戻ると、さっきの騒ぎを知っている奴らが控えめにオレに視線を向けているのがわかった。
ほぼ一分足らずの出来事とはいえ、あれだけ目立つ告白だ。

ひやかしの声がかからないのは今までオレがクラスに馴染まないように巡らせた壁のためか、彼らの親切心か嫉妬心か、それとも単に無関心なだけなのか。
いずれにしてもそのままずっと話題にして欲しくなかった。

ちらりと窓際を見ると山村は次の授業の予習でもしているのか忙しそうにノートに何かを書いている。少しほっとした。

やはり山村には知られたくない。
しかしオレに興味などなくても朝倉は有名人らしいからそのうち周りの人間から聞かされるかもしれない。

そう考えると頭が痛かった。



「島崎くん、おはよう」

翌朝校門の前で立っていた朝倉がオレを見つけ、駆け寄ってきた。

昨日の今日でどういうつもりなのかと思っていたら、朝倉はごく自然な動作でオレの腕に手を回してきた。
もちろんすぐに振り解く。

「昨日はっきり断ったはずだ」

朝倉は艶やかな笑顔でオレを見上げた。

「断ったことを後悔してるかと思って。今ならまだ ── 」

「オレは朝倉と付き合うつもりはない」

きっぱり言い切ったオレは悔しそうな顔つきの朝倉を残し、校舎に入った。

だが。

休み時間、放課後、あらゆる空き時間に、朝倉はオレの前に現れた。

山村にそのやりとりを聞かれたくなかったのでオレは授業が終わるたびに教室外に避難しなくてはならなかった。

屋上につながる鍵のかかったドア。
その横の壁にもたれかかって時間をつぶしていると、どこで居場所を聞きつけたのか朝倉が静かに階段を昇ってきた。

ドアの窓から射し込む陽射しを正面に浴びて少しまぶしそうに目を細めている。

「気は変わった?」

そのパワーは感嘆に値するが、いいかげんうんざりしていたオレはとうとう言ってしまった。

「朝倉はオレのことを好きなわけじゃないだろう。
自分のプライドのために意地でオレにつきまとってるだけだ」

ざっくり、傷つけたと思った。
本来ならば言うつもりはなかったのだ。

「 …… 島崎くんはおかしいわ」

低い声で朝倉がつぶやいた。

「今までどんなカップルに割り込んでも、男の子たちは私を選んでくれた。
いつだって私が一番だった! 一体私の何が不服だって言うの!」

朝倉が嫌いで断ったわけじゃない。
他の誰に言われようと、オレは断るだろう。

たった一人、山村を除いて。
山村でなければ意味がないのだ。

「朝倉にとって、一番だの二番だの順位をつけられないくらい大切に想う人間がいるなら、それは本当にオレか?」

朝倉はきつく唇を噛みしめ、涙を浮かべて走り去っていった。

「ひゅうー、かっこいいねえ、オトコだねえ」

朝倉と入れ替わるように砂田が悠然と階段を昇ってくる。
オレはため息をついた。

「立ち聞きはいい趣味とは言えないな」

「まあ、立ち聞きだなんてシツレイな。
島崎、困ってただろ。フォローが必要かと思って待機してたんだけど、自分で解決しちゃったね」

「 …… 疲れた」

「はいはい、ごくろーさん」

そう言って、砂田はポン、とオレの背中を叩いた。

「朝倉はまっすぐな人間だな」

ため息を混じえてつぶやいた言葉に砂田がカラカラと笑う。

「そりゃあ、島崎みたいな奴から見れば大抵の人間はまっすぐでわかりやすいだろうさ。
複雑な思考の迷宮に入る時にはアリアドネに糸玉をもらってからにした方がいいぞ」

アリアドネとはギリシア神話に出てくる王女だ。

この王女は、ミノタウロスへの生贄(いけにえ)として連れてこられたテセウスという若者に恋し、入ったら最後二度とは出られないという複雑な迷宮からの脱出に手を貸した。

その時使ったアイテムが糸玉だ。

しかしアリアドネは王国から逃げる途中でテセウスに捨てられ、酒の神デュオニュソスと結婚することになる。

その話は英語の教科書に載っていてこの間授業で習ったばかりだった。

砂田らしい比喩の使い方だが詰めが甘い。
オレはアリアドネを置き去りにするテセウスとは違う。

…… まあどちらにしても。

「確かに詩人ではあるな、砂田」

「だからポエマー砂田と呼んでくれってば」

階段を降りかけるオレの隣に砂田が並び、顔を覗き込んだ。

「でもほんとはちょっぴり惜しいことしたなって思ってない?」

「全然」

あっさり答えると砂田が吹き出した。

「やっぱり島崎っておもしれー」



それから一週間ほどたったある日、オレは偶然廊下で朝倉とすれ違った。

「………………」

すれ違いざま朝倉はわずかに聞き取れるほどの小さな声でつぶやいた。

ごめんなさい。

── 確かに、オレにはそう聞こえた。

わかってもらえたんだと知って、朝倉を傷つけるようなことを言ってしまった罪悪感が少し和らいだ。



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